アロマオイル(精油)の作り方、どうやって抽出してるの?【自宅でも作れる?!】

この記事の監修 松江 朋子
NARD-JAPAN認定アロマインストラクター/NARD-JAPAN認定アロマトレーナー/JAA認定アロマインストラクター/
NHAホリスティックハーブアドバイザー[PAH]/NHAホリスティックハーブインストラクター[PIH]/NHAハーバルフードオーガナイザー[HFO] 公益社団法人 日本アロマ環境協会法人正会員
アロマオイル(精油)は、花や果実など、植物から抽出されます。
さて、どのように抽出されているのでしょうか?自宅でアロマオイル(精油)を作れるのでしょうか。
この記事では、そんな疑問にお答えして解説をしていきます。
3つの抽出方法
アロマオイル(精油)の抽出方法は、大きく3つに分けることができます。
- 水蒸気蒸留法(すいじょうきじょうりゅうほう)
- 溶剤抽出法(ようざいちゅうしゅつほう)
- 圧搾法(あっさくほう)
水蒸気蒸留法は、水蒸気の熱によって成分を気化させ、アロマオイル(精油)を溜める方法です。
自宅でも安価な道具で行うことができます。
溶剤抽出法は、溶剤を使い成分を出す方法です。
圧搾法は、搾り取る方法。
主に果実系のアロマオイル(精油)を抽出するのに使われます。
原料となる植物の特徴によって、どの方法が良いか判断されます。
例えば、水に溶けやすい・熱に弱いなどの特徴です。
また、同じ植物でも抽出方法によって香りが違ってきます。
それでは、ひとつひとつを詳しくみていきましょう。
水蒸気蒸留法
水蒸気蒸留法(すいじょうきじょうりゅうほう)は最も簡単で、自宅でもできる抽出方法です。
簡単にいうと、植物を蒸してアロマオイル(精油)を出す方法です。
- 植物を蒸留釜に入れる。
- 蒸気を当てて蒸すと、芳香成分を含んだ水蒸気が発生する。
- 芳香成分を含んだ水蒸気(気体)を冷やして、芳香成分を含んだ液体にする。
と、これだけのステップでアロマオイル(精油)が完成します。
水蒸気によってたまった液体のすべてがアロマオイル(精油)なのではなく、2つに分離します。
上のほうは濃度の濃いアロマオイル(精油)で、下のほうにはフローラルウォーターが溜まります。
フローラルウォーターはアロマオイル(精油)のように高濃度ではありませんが、微妙に芳香成分が溶け込んでいます。
フローラルウォーターは化粧品などに利用されます。
自宅での蒸留
さて、自宅をアロマオイル(精油)を作るためには蒸留器が必要です。
といっても大掛かりな蒸留器ではなく、自宅用に売られている市販のもので十分です。
7,000円~20,000円で購入することができます。
溶剤抽出法
上で解説した水蒸気蒸留法で扱えない植物は、溶剤抽出法(ようざいちゅうしゅつほう)を使います。
熱や水分、圧力によって成分が壊れてしまうとてもデリケートな植物があるのです。
そうした植物は、水蒸気蒸留法ではなく、溶剤抽出法を使います。
石油エーテル、ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤と植物を一緒に溶剤釜に入れると、アロマオイル(精油)の成分が植物から出てきて固まります。
この塊を、コンクリートと呼びます。
メチルアルコールを使い分離させ、アルコールを蒸発させるとアロマオイル(精油)となります。
溶剤抽出法で抽出されたアロマオイル(精油)はアブソリュートと呼ばれます。
溶剤抽出法はとっても手間のかかる方法で、ジャスミンやローズなどの花から抽出される高価なアロマオイル(精油)が多いのが特徴です。
また、アロマオイル(精油)とともに他の植物成分も抽出できるため、同じ原材料によるアロマでも水蒸気蒸留法よりもアブソリュートのほうがより植物の香りに近い場合があるとされています。
圧搾法
圧搾法(あっさくほう)は柑橘系の果皮からアロマオイル(精油)を抽出する際に使われます。
名前からイメージされる通り、絞り取るやり方です。
オレンジの皮を手で絞ると液が出てきますね、昔は手で圧搾してスポンジに吸わせてアロマオイル(精油)を取っていました。
現在は遠心分離器やローラーで圧搾をしています。
熱や水を加えないため、自然な状態で抽出することができますが、不純物も多く含まれるため劣化も早いです。
まとめ
それぞれのメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
水蒸気蒸留法
・安価な道具で可能。
・自宅でも楽しみやすい。
・熱や水で成分が損なわれやすいため、原料の種類によっては使えない。
溶剤抽出法
・成分を損なわず抽出できる。
・手間がかかり、高価。
圧搾法
・植物本来の香りが楽しめる。
・不純物も多いため、劣化が早い。
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